地震調査研究推進本部地震調査委員会は、「4月14日の
マグニチュード6.5の地震及び4月15日の
マグニチュード6.4の地震の
震源域付近には、
日奈久断層帯が存在している。これらの地震は、
日奈久断層帯の高野─白旗区間の活動によると考えられる。また、4月16日の
マグニチュード7.3の地震の
震源域付近には布田川断層帯が存在しており、現地調査の結果から
地表地震断層が見つかっていることから、主に布田川断層帯の布田川区間の活動によるものと考えられる」とされております。なお、
地震調査委員会は布田川断層帯(布田川区間)について、活動時に
マグニチュード7.0程度の地震が発生する可能性があり、30年以内の
地震発生確率はほぼ0%から0.9%、これはやや高いものと評価しておりました。
「平成28年熊本地震」の地震活動の中で発生した多くの地震について、その発震機構は、おおむね南北方向に張力軸を持つ
横ずれ断層型であり、布田川断層帯の布田川区間沿いなどで長さ約28キロメートル及び
日奈久断層帯の高野─
白旗区間沿いでは長さ約6キロにわたって
地表地震断層が見つかっており、益城町の堂園付近では最大約2.2メーターの
右横ずれ変位が見つかっております。
地震調査研究推進本部は先月13日に、「熊本県から大分県にかけて、今後も最低2カ月程度は震度6弱以上の揺れに見舞われることも否定できないことから、注意が必要である」との見解を発表されております。
2005年3月に、玄界灘において福岡県
西方沖地震が発生いたしました。春日市を通過します
警固断層帯南東部における被害地震の発生が懸念されるところであります。
警固断層帯南東部では
マグニチュード7.2程度の地震が発生すると推定され、その際には地震近傍での地表面で2
メーター程度の左横ずれが生じる可能性があるとされております。
地震発生確率は、これには幅がありますが、その最大値をとると、今後30年以内に地震が発生する確率は6%とされ、我が国の主要な活断層の中ではこれは高いグループに属することになっております。なお、
断層帯北西部の2005年の活動により、
断層帯南東部で地震が発生する可能性はより高くなっているという指摘もあり、そのことには十分留意する必要があると考えております。
そこでお尋ねいたします。今回の平成28年熊本地震の発生に鑑み、同じ
内陸直下型地震、これが予想されます春日市において、市民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、地域防災の第一次的責務者として、市の役割はますます重要になったと思われますが、地域防災の取り組みについて市長の見解をお尋ねいたします。
2点目。2005年3月に発生いたしました福岡県
西方沖地震から10年以上が経過し、地震災害に対する市民の関心が薄らいだ感がややあったと思われます時期での、今回の熊本地震の発生ではなかったでしょうか。今後、市民への防災意識の啓発、情報の発信はどのように進められるのか、見解をお聞かせください。
3点目。春日市
地域防災計画は、
災害対策基本法第42条の規定に基づき毎年検討を加え、必要があると認めるときはこれを修正することになっております。平成28年熊本地震の教訓から、今後検討すべき事項について見解をお聞かせください。
以上3点、最初の質問とさせていただきます。御回答よろしくお願いいたします。
5: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。
6: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 米丸議員から、「地震災害における地域防災について」の御質問でございます。
まず、「地域防災の取り組みについての見解について」のお尋ねにお答えいたします。
今回の熊本地震を受け、市民の生命、身体、財産を災害から保護するため、さまざまな災害に対し、改めて災害時の被害を最小化し、被害の迅速な回復を図るため対処していく必要があると考えております。
次に、今後、市民への防災意識の啓発、情報の発信はどのように進めるのかとのお尋ねにお答えいたします。
これまでも
市ウエブサイトや市報などを利用しながら、防災意識の啓発、情報の発信を行ってまいりましたが、今後もさまざまな災害に対し、
あすか市民塾や
出前トークなどの出前講座や、各自治会で行われている
自主防災組織による訓練時など、さまざまな機会を利用して、防災意識の啓発、情報の発信に努めてまいりたいと考えております。
次に、「春日市
地域防災計画における、熊本地震の教訓から今後検討すべき事項についての見解について」の御質問にお答えいたします。
春日市
地域防災計画につきましては、昨年、大幅に見直しを行ったところでございます。今回の熊本地震の教訓等につきましては、今後、検証を行った上で、必要な場合は見直しを行ってまいりたいと考えております。
7: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
8: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
これまでの地震災害の想定を超えるさまざまな事象が熊本地震では発生しております。春日市という地域防災に対するこれまで以上の考えを市長にお聞きしたかったのですが、それでは順次、具体的な項目で質問をさせていただきます。
まず、地震災害時における水の確保と井戸の活用についてお伺いしたいと思います。
災害時協力井戸という制度があります。災害時協力井戸とは、共助として災害時における地域住民の飲料水及び
生活雑用水の確保を図るため、市内に井戸を所有する方の協力のもと、これらの井戸を登録していただき、災害時に地域住民の方に供給していただくものであります。新たに井戸をこれは掘るのではなくてですね、既にある井戸を活用しようという制度であります。
東日本大震災を初め、過去の大きな震災におきまして、水道の遮断による厳しい水不足に陥ることが少なくありませんでした。昔はですね、多くの家庭にそれぞれ井戸があり、災害時にも大規模な水不足は発生しなかったと、そういうふうに言われております。断水時の水の確保が災害時の生活状況を大きく変えるものと言えます。そこで、さらなる水の確保を目的として、市内の個人所有の井戸、それから事業所さんで所有されてある井戸について、災害時協力井戸として、いざというときに
生活用水提供施設としていただくことで、多くの方が救われるものと私は考えております。これからは、地震災害に対して影響を受けることが少ない井戸という自前の水源を確保することが重要であると思われます。
以上の観点から、春日市
地域防災計画にありますよう、井戸の整備・活用を計画的に、かつ着実に進めていただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。
9: ◯議長(金堂清之君) 染原
地域生活部長。
10:
◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 井戸の整備・活用を計画的に、かつ着実に進めていくことについてのお尋ねにお答えいたします。
議員御紹介のとおり、春日市
地域防災計画において、必要に応じて井戸を整備し、生活用水の確保を図るとしており、現在のところ新たに井戸を整備する計画はございません。議員御提案の災害時協力井戸については、市内に井戸を所有する方の協力のもと、井戸を登録していただき、災害時に地域住民の方に供給していただくことは有効な手段だと考えます。登録後の周知など、個人情報などの課題はあると考えますが、研究してまいりたいと考えております。
11: ◯議長(金堂清之君)
米丸貴浩議員。
12: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
災害時協力井戸、この制度に対しては、有効な手段である、そういう評価をいただいておると認識いたしました。これはですね、井戸の所在地の公表、それから「井戸がここにありますよ」という所在する旨の標識を見やすい場所に設置すること、それから井戸水が水質検査の基準を満たすことなどの課題はあると思いますが、これについて、この制度についてですね、既に取り組まれている自治体──関東圏とかでは非常に多いみたいです──ありますので、実施に向けてぜひ検討されるようお願いいたします。
次に、
下白水北地区にあります、設置されています緊急時防災井戸についてお伺いしたいと思います。まずは、この施設の設置の目的及び管理、活用状況についてお聞かせください。
13: ◯議長(金堂清之君) 染原
地域生活部長。
14:
◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕
下白水北地区に設置されている緊急時防災井戸の設置目的及び活用状況のお尋ねにお答えいたします。
現在の緊急時防災井戸の設置場所には、以前、事業者の工場があり、工場の閉鎖に伴い歩道用地として市が購入いたしましたところ、井戸がございまして、水質がよく、新たに手を加える必要もなかったため、災害時などの緊急時用の防災用として整備を行ったものでございます。
また、その活用状況についてでございますが、設置場所であり、実際に利用されていると考えております
下白水北地区に対し、災害時に活用できるよう
機器操作研修を行っていただきますよう依頼しており、毎年、地区の防災訓練時などに活用していただいているところでございます。
なお、井戸の管理につきましては、毎月1回、動作及び水位点検、清掃を行うとともに、水質の管理も行っております。
15: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
16: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
この緊急時防災井戸、
下白水北地区にありますけれども、残念ながら春日市
防災ガイドブック、これにはですね、この施設についての言及も、それからマップへの設置位置の記載も、今のところされておりません。これについての見解をお聞かせください。
17: ◯議長(金堂清之君) 染原
地域生活部長。
18:
◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 緊急時防災井戸が春日市
防災ガイドブックに、施設についての言及も、マップへの設置位置の記載もないことについてのお尋ねにお答えいたします。
議員御指摘のとおり、現行の春日市
防災ガイドブックへ緊急時防災井戸の記載がありませんでしたので、今年度の春日市
防災ガイドブックの改訂の際には記載を行いたいと考えております。
19: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
20: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
せっかく、先ほど御回答にもありましたように、定期的な管理も十分され、そして地域の防災訓練、それから災害への備えとして、私はもう十分に確立している施設と思っております。ぜひですね、
防災ガイドブック、これの改訂の際にはですね、記載と、それからもう一つ、市民への周知をお願いいたします。
次に、避難所と防災井戸の設置についてお尋ねいたします。
阪神・
淡路大震災以降、関西圏や首都圏では、地震災害時に安定した水の供給が可能である井戸活用の見直しがされてまいりました。一般に、くいなど細長い
地下構造物で上からですね、慣性力を受けない場合には、地震時の構造物の挙動は地盤の挙動とほぼ等しくなるため、構造物の影響は小さくなると言われております。断層運動のように直接地盤の食い違いなどがその部分に生じない限り、破壊は生じないものと、そういうふうにされております。つまり、揺れ動きます地盤と一緒に井戸も動くために、井戸は壊れにくく地震に強いとされているわけです。厚生労働省の
健康局水道課が発表しております
東日本大震災水道施設被害状況調査、この文書の中にもですね、井戸は災害に強いと、そういう報告がなされておりました。
春日市での想定地震とした
警固断層南東部地震による被害予測は、
上水道管被害箇所が414カ所、
生活支障世帯数は4万4,064世帯とされております。そこで市内を、例えばですね、東西南北にグリッド化してですね、それぞれの地区に指定されている避難所にある程度の防災井戸を確保されるお考えはないでしょうか。
今回、
総合スポーツセンターに掘削新設されております2基の防災井戸、これも井戸の有効性を評価されての設置と私は思っておりますが、見解をお聞かせください。
21: ◯議長(金堂清之君) 染原
地域生活部長。
22:
◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 市内を東西南北にグリッド化し、それぞれの地区に指定される避難所にある程度の防災井戸を確保してはどうかとのお尋ねにお答えいたします。
さきに議員御提案の災害時協力井戸につきましても研究を行うこととしておりますし、
下白水北地区の緊急時防災井戸なども活用することから、現在のところ井戸の整備を行う計画はございません。
次に、今回
総合スポーツセンターに掘削新設された防災井戸は、避難所に防災井戸を確保するという考えのもとによる設置ではないのかとのお尋ねにお答えいたします。
総合スポーツセンターにつきましては、大規模災害時の
防災拠点施設と位置づけており、さまざまな防災機能を保有した施設とするために、井戸の整備を検討した結果、必要と判断したため、整備を行ったものでございます。
23: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
24: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
実はですね、5月の連休に私、神奈川県にありますある大学の
研究チームに同行させていただきまして、熊本の被災地に、一つは
福祉避難所開設の調査、それからあわせて
ボランティア活動といたしまして、割れ落ちた瓦の撤去作業や、それから屋根のブルーシート張り、土のうつくり、そういうことに参加してまいりました。最初に入ったところはですね、
本震の震源地に近かった嘉島町というところです。被災直後の様子をですね、撤去作業しながらその合間に、住民の方にいろいろお尋ねしたり、逆に話しかけられてこられて、こうだった、ああだったというお話をお聞きしてまいりました。
そこでほとんどの皆さんがおっしゃるのはですね、水があれば何とかなったということだったんですね。皆さん、このあたりの家はですねと、ほとんどの家に井戸があったので、水に困りませんでしたと。井戸はですね、
電動式モーターではなくてですね、手押しのこういうギコギコギコとする、こういうポンプがついた井戸がほとんどだったんですね。中には
掘り抜き井戸といいまして、大きなふたがついていて、あけるともう水がそこに見えるというような、そういう井戸もたくさんありまして、どう使われるのかというと、昼間はですね、たらいに井戸水をくんで、張るんだそうですよ。で、お庭に置いておくと温かくなって、これでお風呂に入りましたと。水さえあれば皆さん、何とかなるもんですという話をしきりにされてありました。私はまさしくですね、地震災害に強い井戸がこれで立証されたんじゃないかなというふうに思いました。
市の答弁は、新たな防災井戸の整備は今のところは考えておりませんが、
総合スポーツセンターには2基の防災井戸が新設されております。また、災害時協力井戸の、この検討はですね、井戸が地震災害に有効である認識をいただいているものと理解しておりますので、今後の活用を期待しております。
では次に、春日市
地域防災計画について質問をさせていただきます。
最初は、
福祉避難所の存在の周知ということをお聞きします。
福祉避難所とは、介護の必要な高齢者や障がい者など、一般の避難所では生活が困難である人を対象として、必要な支援の提供や建物の
バリアフリー化が図られた避難所であり、阪神・
淡路大震災を教訓として、平成9年に
災害救助法に位置づけられました。
改正災害対策基本法の第49条の第7項におきまして、避難所については市町村長があらかじめ指定しておくことになっております。そして国の
避難所ガイドラインでは、自治体は避難所だけではなく
福祉避難所の所在地や機能──機能というのは提供可能な支援の内容や設備の内容をいいます──これについて、福祉団体、例えば障がい
者関係団体や
サービス事業所、
社会福祉協議会との連携を図り、障がい当事者やその家族へ周知することとされております。
こうした改正点を踏まえ、市町村は十分な数の
福祉避難所を指定するとともに、どのような災害が発生した際に、どこに避難所や
福祉避難所が設置されるかなど、これに関する周知や情報の提供を的確に行うべきと考えますが、見解をお聞かせください。
25: ◯議長(金堂清之君)
筒井福祉支援部長。
26:
◯福祉支援部長(
筒井ひとみ君)〔登壇〕
福祉避難所についての御質問でございます。
まず、十分な数の
福祉避難所を指定すべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。
現在、春日市内には、いきいきプラザ、
福祉ぱれっと館、
クローバープラザと、新たに
総合スポーツセンターを加えた4施設を
福祉避難所として指定しております。また、これら以外にも、民間等の施設とも協定を結ぶことによって、
福祉避難所として指定できることとされております。障がいのある方や高齢者などの要配慮者の方を一人でも多く安心してケアできるよう、関係所管とも連携しながら、
民間施設等との
福祉避難所協定の締結を検討したいと考えております。
次に、どのような災害時に、どこに避難所や
福祉避難所が設置されるのか、的確な周知を行うべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。
春日市では、災害時には基本的にお住まいの地域の公民館や学校に避難していただくことになります。春日市
防災ガイドブックや市報、春日市べんり帳、
市ウエブサイトに掲載するなど、周知の努力をしておりますが、まだまだ市民の皆様への浸透を図る余地があることは認識しております。4月に発生した熊本地震を教訓に、さまざまな機会を捉えて、周知とさらなる情報の浸透に努めてまいりたいと考えております。
27: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
28: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
協定福祉避難所の検討、また情報の周知に対する現状の評価については、部長回答ありましたように、私も同じような認識を持っております。そこで、情報の周知の浸透についてお尋ねしたいと思います。
大規模災害時には
福祉避難所が設置されることを知りつつも、
東日本大震災時には、その場所がわからなかった、それで利用できなかったとする障がい当事者が多く存在したのも事実であります。平時からそうした
福祉避難所を具体的に意識化できるよう、例えばですね、例えば障がい
福祉サービスの
サービス等利用計画書、これを提出するときにあわせて利用できる
福祉避難所の場所、それから設備等についての案内なども一つの対応と私は考えておりますが、これ以外にですね、さらなる周知や情報提供の取り組みについて、ありましたら見解をお聞かせください。
29: ◯議長(金堂清之君)
筒井福祉支援部長。
30:
◯福祉支援部長(
筒井ひとみ君)〔登壇〕 さらなる周知や情報提供の取り組みについての見解はどうかとのお尋ねにお答えいたします。
さまざまな機会を捉えて、
福祉避難所を含めた
避難所情報を周知することは、要配慮者、とりわけ障がいのある方におかれましては特に大切であると認識しております。そこで障がい
福祉サービスの
災害等利用計画書に基づく諸手続時はもちろんのこと、利用開始時や更新時など市との接点ができた際に、避難所を記した地図や一覧表をあらかじめ準備するなどにより、御案内することができるのではないかと考えているところでございます。
また、毎年発行しております障がい者福祉のしおり「まごころ」等にも、新たに
避難所関係の情報を掲載し、手帳を新規取得する方などに確実に情報伝達ができるよう検討したいと存じます。
31: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
32: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
サービス等利用計画書、これは
介護保険制度でいいます
ケアプランみたいなものですね。たしか、もうこれは義務づけられて、皆さんお出しにならなきゃならないということになったと思います。この
サービス等利用計画書、この提出時だけではですね、全てのケース、これを網羅することはできませんので、今御回答にありましたよう、新たな取り組みをいろいろお考えのようですので、あらゆる機会を通じてその情報の伝達に努めていただきたいと思っております。
次に、障がい者に配慮された避難所の設置についてお尋ねしたいと思います。
肢体不自由、それから聴覚障がい、視覚障がい、知的障がい、発達障がい、医療的ケアが必要な障がい、難病など、障がいは多様であり、可能な限りその障がい特性に対応した環境が避難所に備えられていることが重要であると考えております。しかし一般的には、避難所全体の環境を全ての障がい者に対応できるように備えることは困難ではないでしょうか。
そこで、
避難所ガイドラインに示されているよう、
指定避難所にあらかじめ
福祉避難所に近い機能を有したスペース、これを
福祉避難室ともいいますけれども、こういうスペースの設置が考慮されるべきと考えますが、見解をお聞かせください。
33: ◯議長(金堂清之君) 染原
地域生活部長。
34:
◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕
指定避難所に、あらかじめ
福祉避難所に近い機能を有したスペースの設置が考慮されることについてのお尋ねにお答えいたします。
避難所と指定している公民館や小中学校では、和室や教室などの部屋を活用いたします。また、体育館の中にしかスペースが確保できない場合においても、間仕切りで仕切るなど、その状況に留意した必要な配慮を行っていきたいと考えております。
35: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
36: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
ここまでですね、避難所の設置における配慮などについてお伺いしてまいりました。
東日本大震災の教訓を受け、
災害対策基本法が改正され、「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取り組みの指針」というのが策定されております。さらにガイドラインでは、この指針に基づき、市町村が取り組むべき災害発生時に必要となる基本的な対応を事前に確認し、災害対応の各段階において実施すべき対応業務を取りまとめたものがこのガイドラインです。
そこにはですね、ガイドラインには、
指定避難所は事前に避難所となることが決まっているわけですから、必要な場合に要配慮者が個室に入所できるよう、あらかじめ
福祉避難所、避難室用のスペースについて考慮してくださいと。それから
福祉避難室、この設置に当たっては、一般の避難所環境と比べて劣悪な環境としないことに留意してください、まあ当たり前のことですね。それから物理的障壁の除去、
バリアフリー化、これがなされていない施設を避難所とした場合には、要配慮者が利用しやすいよう、速やかに、例えば障がい者用トイレとかスロープなどの架設に努めることと、まあ、ほかにもつらつらありますけれども、などが災害発生時には臨機応変に活用できるよう、状況の変化を想定した準備も進めておくことが望まれると、そう記載がされております。
熊本の被災地に連休に入り、
福祉避難所開設の調査を行った際に、これは熊本学園大学というところを実はお訪ねしたんです。この熊本学園大学は、ここには社会福祉学科がありまして、この社会福祉学科の教授を中心に、独自に避難所を開設され、地域の高齢者や障がいをお持ちの方などを受け入れてありました。発災直後から学生ボランティアも配置するなど、避難所運営を想定していなかった中での迅速な対応に、避難者からは感謝の声が上がった大学です。
本震が発生し、熊本市内でも多くの地域で断水などの被害が出る事態になり、一般の市民とともにこの熊本学園大に助けを求めて来られたのが、在宅でお暮らしになっている障がいをお持ちの方だったそうです。学園大はですね、障がい者を対象にした避難所として、バリアフリーで多目的トイレもあった講堂を開放されました。講堂ですから舞台がありまして、そこも見せていただきましたけれども、舞台に近い部分にスペースを設けて、男女を分ける仕切りもつくったり、バリアフリーですから、講堂に至るところ、入るまではですね、入り口から、もう完全にスロープがつくってありました。
そこで教授がですね、私に言われたんですね。米丸さんと、一般の避難所には障がい者の居場所はないと、ありませんと。必ずいることができるスペースだけでもまずは確保してくださいと。学園大に今回来られた障がい者の方は、たまたま運がよかっただけなんですよと。ぜひですね、春日市におかれましても、状況の変化を想定した準備をしっかりお願いいたします。
次に、
指定避難所及び
福祉避難所の周知についてお聞きする前に、1点だけ確認しておきたいことがあります。今回、春日市
地域防災計画を改定されたわけですけれども、これの上位法は
改正災害対策基本法であり、同法の施行規則にのっとり、例えば取り組みの指針や先ほどのガイドライン、これに準じて策定されたものという認識でよろしいでしょうか。
37: ◯議長(金堂清之君) 染原
地域生活部長。
38:
◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 米丸議員のお尋ねにお答えさせていただきます。
春日市の
地域防災計画は、
災害対策基本法を上位法、つまり根拠とするものでございますので、同施行令の内容に基づき計画を策定していくものであるということでございます。
39: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
40: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
そのとおりですよね。
災害対策基本法がまずあって、施行令があって、そしていろんな取り組みの指針とか国が定めたガイドライン、これに基づいてできているものという、今確認がとれましたので、そのもとにお話をさせていただきます。
改正災害対策基本法の第86条の第6項の規定を受けて、市町村は避難所における良好な生活環境の確保等に努めることが求められております。その取り組みに当たっての参考となるように、内閣府の防災担当が策定されました「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取り組みの指針」というのがあります。ここにですね、こう記載があります。「避難所として指定した施設については、住民にわかりやすい避難所である旨を当該施設に表示しておくこと」と、
指定避難所等の周知について適切な対応を市町村に求めております。
春日市には、避難標識の設置については現在、いろいろあります課題を研究中であるとの回答を、さきの一般質問の場においていただいております。とりわけ
福祉避難所における避難標識の設置は、優先度が非常に高いものと思われますので、課題研究を早期に進められ、内閣府防災担当策定の取り組み指針の求めにあるように、いち早い整備がなされますことを強く期待するものであります。
最後に、家具転倒防止器具の設置助成について質問をさせていただきます。
阪神・
淡路大震災時に建物の中でけがをした人の約半数は、家具の転倒、それから落下が原因だったという調査結果が出ております。これにガラスの飛散、家具が割れてガラスが割れたとですね、ガラスの飛散によってけがを負った人、これが約3割と言われております。これを加えますと、実に4分の3以上の方が家具やガラスで被害を受けたことになります。建物が無事でも家具が転倒、移動すると、下敷きになりけがをしたり、室内に散乱し逃げおくれることにつながることになります。家具をしっかりととめて、ガラスの飛散防止対策を講じれば、こういった被害を最小限に抑えることができるものと考えております。
現在、春日市では震災に強いまちづくりのために、住宅の耐震改修工事費の一部助成を進めているところではありますが、市民の生命、身体を地震災害から守るために、こういった家具転倒防止器具の設置助成を検討されてはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
41: ◯議長(金堂清之君) 染原
地域生活部長。
42:
◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 家具転倒防止器具の設置助成の検討についてのお尋ねにお答えいたします。
議員御説明のとおり、大地震の際の被害は住宅の耐震化だけではなく、家具の固定の状況などにも影響されると思います。また、少しでも日ごろから家具の固定や配置を見直すなど、少しの時間、少しの工夫を行うなどの事前の準備により、被害を減じることはできると考えております。
本市といたしましては、地震が起きた際に命を守るため、市民一人一人による自助の取り組みが大切だと考えております。そのため、議員から御提案をいただいておりますが、その必要性については、
防災ガイドブックや地方防災講話など、さまざまな機会を通じて周知することで対応してまいりたいと考えております。
43: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
44: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
制度は考えて今のところはないという御回答と思いました。制度について最初の質問をしたわけですけれども、私が思っているのはですね、全て全額支給ではなくて、自己負担もつきでやられたらどうかなと思っております。
この制度もですね、神奈川県の横浜市はですね、要件が若干ありましてですね、一つはですね、横浜市地震防災戦略というのがありまして、この中の地震火災対策方針による南区、横浜市南区ですね、ここがですね、重点対策地域になっているそうですよ。その重点対策地域及び対策地域にお住まいの方は、器具代の4分の3、そして補助額が上限が6,000円となっております。これに該当されない市内の方、ここはですね、器具代の2分の1、そして上限額は4,000円とされております。いずれにしても、ある程度は自分で持ってくださいねということですね。
今回、春日市におきましてもですね、策定される予定の地震ハザードマップ、これにはですね、危険度マップがあると聞いております。横浜市さんのようにですね、エリアを分けて補助されてはどうかなと思っているのが一つと、それからまた、防災対策の機運が今非常に高まっているところだと。この時期にですね、広く浅くですね、制度として市の補助があれば、一層整備が進み、市民の身体、生命の安全が今以上図られるものと考えますが、再度見解をお聞かせください。
45: ◯議長(金堂清之君) 染原
地域生活部長。
46:
◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 米丸議員の御質問にお答えいたします。
さきに述べましたように、家具の転倒防止につきましては自助ということで、家庭でできる防災対策は家庭で行うことが基本であると考えておりまして、導入に当たっては、ここは慎重に考えたほうがよいということでございます。議員の提案の御趣旨は減災ということと思います。そのことについては私どもも同感でございますので、どうか御理解のほうをよろしくお願いいたします。
47: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
48: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
慎重に考えた結果、御理解くださいということでした。ちょっとでもですね、まあ自助はよくわかるんですけども、少しだけ、行政がですね、手を差し伸べることによって、そういう制度がぱっと広まって、身体、生命の安全が図れるようになれば、さっき言いましたようにですね、家具の転倒とかガラスの飛散で約4分の3の方がけがを負われていると。それがある程度やっぱりですね、排除できるんであれば、やっぱりいい制度じゃないかなと。そんなに多くの費用はかからないかもしれません。そのところはですね、ちょっとむげに断るのではなくて、一回考えだけでも、検討だけでもされてください。よろしくお願いいたします。
つらつら聞いてまいりましたけれども、熊本地震ではですね、実際行って見てきたわけですけれども、数多くの貴重な教訓がここには示されております。春日市におきましても地域の防災意識、防災力を高めるとともに、地域の実情に応じた計画の策定及びその検討に努めていただきたいと、私は切に思っております。
これで一般質問を終わりたいと思いますけれども、市長、いかがですか。お考えがあれば改めてお聞きしたいと思います。
49: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。
50: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 先ほどから米丸議員の御質問を聞いておりまして、実際に今度の熊本地震に現場に赴かれて、そういうボランティアの活動もされたということで、非常に頭が下がる思いでございます。
私どもといたしましては、先ほどから部長がお答えしておりますように、この減災ということを常に念頭に置きながら、さまざまな今取り組みをやっているところでございます。そこで、行政の果たす役割というものについての考え方もいろいろあろうと思いますけれども、私どもは今、行政として、できるだけ市民の皆さん方にいろんな情報を伝達していく、お伝えをしていく、そういうこととあわせて、例えば避難場所の問題につきましてもそうでございます。その中でいつも申し上げておるのは、今やっぱりどうしても図上の、あるいは机上のという言葉を使っていいのかはわかりませんけれども、大事にしていかなきゃいかんことは、今、各自治会で
自主防災組織を立ち上げていただいて、その活動をやっていただいております。どういう災害が来ても、やっぱり基本はこの
自主防災組織になってくるんじゃなかろうかというふうに思っております。
例えば今、障がい者の方々との
出前トークの中でも、こういう
福祉避難所の問題が出ました。自分たちもそういう地域の防災訓練には参加したいと、参加して結構だというお話もいただいております。そういうことも含めて、まず具体的にその訓練の取り組みをどのように充実させていくのか、ひょっとすると形骸化しておりゃせんかという懸念もあるかもわかりません。ですから、そういうことをもう少し現実的に即して取り組んでいくということが一番重要なのかなと。もちろん、議員がおっしゃったことも重要なことでございますので、あわせてやっていかなきゃいかんというふうに思っております。そういう取り組みをやっていくことが、やっぱり想定外の災害が来たときに役立っていくんじゃなかろうかというふうに思っております。
もちろん、そういう想定外のことを考えることも大事だと思いますけれども、やはり具体的には、日ごろからお互いにこの自助、共助、そして公助というものがどういう機能を果たしていくのか、まずは自分自身の身をしっかり守っていくことが最初だろうというふうに思っております。そして自分、そして家族の皆さん方の安全が確認されたら、そういう避難弱者と言われるような方々がたくさんおられますので、障がいのある方とかですね、高齢者の方とか、そういう方をどうやってみんなで支えていくか、支援していくかということも大事だというふうに思います。そこの連携をやっぱり日ごろの訓練の中でやっていただくこと、そういったことも非常に重要になってくるというふうに思っておりますのでですね、今、議員のお話を聞いておりまして、確かに議員のおっしゃるように、非常に重要な御提案をいただきました。
それとあわせてですね、我々としては、それぞれの自治会に対しまして、もう少し具体的にですね、既に取り組んであるところもあるんです。先日も、桜ヶ丘の
自主防災組織の訓練に行きました。100人以上の方が、200人近い方ですかね、参加をしておられまして、非常に意識を持っておられます。そういう取り組みというものをもっともっと全市的に広めていただくような、そういうことも皆さん方と連携をとってやっていきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしく御理解いただきたいというふうに思っております。本当にありがとうございました。
51: ◯議長(金堂清之君) 12番、
米丸貴浩議員。
52: ◯12番(米丸貴浩君)〔起立〕 12番、米丸貴浩です。
市長、御回答ありがとうございました。またいろんな場面で、いろんなケースで提言をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしく今後もお願いいたします。
以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。
53: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。
なお、前田議員は時間制にて質問いたします。
54: ◯20番(前田俊雄君)〔登壇〕 20番、公明党の前田俊雄です。
さきに通告しておりますとおり時間制で、防災・減災の視点でのため池保全についてを市長に質問させていただきます。
本題に入ります前に、4月の熊本地震でお亡くなりになった方に対して哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に対して心よりお見舞い申し上げます。
それでは、本題に入ります。この項目での質問は、平成24年9月定例会、平成26年6月定例会及び平成27年6月定例会に引き続き、4回目になります。
論点は、本市に点在しているため池を防災・減災の視点で見るとき、一つには、地震が発生し堤体が決壊した場合、下流域に大きな浸水被害が予測されること、二つ目には、震災時においてため池の水が活用できることが考えられます。このことは、阪神・
淡路大震災、
東日本大震災を経験しての各種の研究報告書等において明らかです。
このことを踏まえ、平成24年9月定例会以来、まず本市内に点在するため池の耐震度をはかるための点検を訴えてまいりました。これまでの過程で、平成25年度から26年度にかけて福岡県による点検が行われました。ただし、この点検では耐震度をはかる点検は実施されてはおりません。前回、平成27年6月定例会において、ため池の整備方針については、福岡県との協議の中で、全てのため池の点検結果が整った後に、その結果に基づき、防災・減災対策を講じていく方針であることを確認しているとの答弁をいただいておりました。平成26年度の点検結果も出ているようでございます。
そこでまず1点目、福岡県並びにため池管理者等との整備方針の協議の進捗状況についてをお尋ねいたします。
2点目に、ため池の水の利用については、平成27年6月定例会において、「市内6水利組合代表者及び関係所管との協議を重ね、覚書の内容について大筋の合意を得たので、近々、覚書を点検できると考えている」との答弁をいただいておりました。この2点目のお尋ねとして、念のためにお聞きしますけども、覚書は締結されたのでしょうか。
以上2点、まずお尋ねしまして、私の1回目の質問とさせていただきます。
55: ◯議長(金堂清之君) 井上市長。
56: ◯市長(井上澄和君)〔登壇〕 前田議員から、防災・減災の視点でのため池保全についての御質問でございます。
まず、福岡県並びにため池管理者等との整備方針の協議の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。
平成25年度から26年度にかけ福岡県が行った点検は、受益面積が0.5ヘクタール以上のため池7カ所です。この点検結果については、平成27年6月末に報告を受けたところでございます。このうち、寺田池、須玖新池、大牟田池、白水池、中原新池及び惣利池の6カ所のため池について、耐震度をはかる点検、いわゆる地震に対しての優先的な詳細調査を行う必要があるとの判定となっております。この点検結果をため池管理者等に伝えるとともに、ため池の日常的な安全管理の強化についてもお願いをしているところでございます。しかしながら、整備方針についての具体的な協議には至っておりません。
次に、覚書が締結されたのかとのお尋ねにお答えいたします。
市内6水利組合の御協力のもと、昨年11月11日に覚書を締結しております。
57: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。
58: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 ちょっと順番が前後いたしますけども、まず先に、災害時のため池の水の利用についてお尋ねしますけども、覚書が締結されたとのことでございますので、関係者の皆様の御理解と御協力に深く感謝申し上げます。
合意内容につきまして1点だけお尋ねします。覚書は、まあ災害もいろいろあるでしょうけども、どのような災害を想定して協議し、合意に至られたのかお聞かせください。
59: ◯議長(金堂清之君) 染原
地域生活部長。
60:
◯地域生活部長(染原利幸君)〔登壇〕 災害時のため池の水の利用について、覚書はどのような災害を想定して協議し、合意に至ったのかとのお尋ねにお答えいたします。
この覚書で想定している災害は、市内に地震その他大規模な災害が発生した場合を想定しております。
61: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。
62: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 理解いたしました。まあ、これ以上言ったらですね、どんな災害が起きるかわかりませんので、今この場でですね、言ってもいけないでしょうから、できるだけ災害は起きないことが望ましいんでしょうけども、まあ、きょうのところはこの答弁にさせていただきます。
では次に、1点目のため池点検結果に基づく今後の取り組みについてお尋ねしますけども、まず、25年度から26年度にかけての福岡県による点検の概要をちょっと整理したいと思っております。この点検は、国、所管省庁は農林水産省、それから総合判定の災害対象は、豪雨に対する判定と地震に対する判定が行われました。もし違っていたら御指摘ください。で、総合判定はですね、優先度の判定で、優先度が高い順に行きますと、「優先的に詳細調査を行い、必要な対策を検討」、次にもう一つが「詳細調査により必要な対策の検討が望まれる」、三つ目が「決壊の可能性及び下流への影響が小さい」、この3段階とされていると私は理解しております。
どうも先ほどの答弁をお聞きしますと、点検が行われた7カ所中6カ所が最も高い優先度になっているようです。地震に対しての優先的な詳細点検を行う必要があるとの判定ですので、本市として積極的な取り組みが必要と考えます。
そこでちょっとお尋ねしますけど、点検データもそろいましたので、6カ所についてはまず整備の前に詳細調査を行う必要があるわけですけども、県との協議はどのようになっているんでしょうか。
63: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。
64: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 6カ所の池について、まず整備の前に詳細調査を行う必要があるが、県との協議はどうなっているのかとのお尋ねにお答えします。
県によるため池の点検結果において、詳細調査の優先度が高いと判定されたため池について、今後、福岡県による詳細調査が行われるのか、また、詳細調査や整備に要する費用の補助制度等について確認を行ったところでございます。詳細調査等の実施に関しましては課題がございますので、実施に向けた具体的な協議には至っておりません。
65: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。
66: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 確かに協議をされたことはわかったわけですけども、協議した結果がどうだったんだというのはですね、答弁になかったんで、ちょっとお聞きしていきますけど、協議の結果としましてね、福岡県による詳細──まあ最初の点検、現況調査は福岡県がやったわけでしょうけど、その後の判定を受けての詳細調査については、福岡県でやっていただけるんですか。
67: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。
68: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 協議の結果として、福岡県による詳細調査は行われるのかとのお尋ねにお答えします。
県による詳細調査は行わないとの回答を得たところでございます。
69: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。
70: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 詳細調査は県が行わないとなってくるとですね、当然、春日市の事業としてやっていかなければならないんですけども、当然、費用がかかるわけですね。その費用に対しての補助制度については何か言っていなかったですか。
71: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。
72: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 調査費用についての補助制度についてはどうだったのかとのお尋ねにお答えします。
詳細調査に要する費用については、現段階では補助制度の適用は難しいという回答を得ております。
73: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。
74: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。
市でやりなさい、補助制度もないになってくると、非常に厳しいものですね。
先ほど県との協議はどうだったんだろうと進捗を聞いたときに、何か課題があるということだったんですけど、その課題というのはどういう課題なんですかね。
75: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。
76: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 今回の6カ所のため池の詳細点検を行う上での課題というところが、どういった課題があるのかとのお尋ねにお答えします。
この六つの池については、春日市の所有ではなく、水利関係者等が所有している、このことが一つ。次に、この水利関係者等が所有していることから、費用負担の問題、詳細調査の実施に伴う費用、受益者負担等の関係が出てきますので、この費用負担等について課題として認識しているところでございます。
77: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。
78: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。
確かに底地は各水利組合、財産組合さんの持ち物でしょうし、水につきましても水利組合関係者でしょうけどもですね、確かにこれも一つの課題かと思います。
そういう課題がある中でですね、じゃ、25年、26年度に行われた福岡県による点検に際してですね、これでも費用がかかっているはずなんですね。そのときは本市の負担、ため池所有者の負担はあったんですかね。
79: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。
80: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 平成25年度、26年度に行われた福岡県による点検に際して、本市の負担、ため池所有者の負担はあったのかとのお尋ねにお答えします。
今回の点検においては、国の全額補助によって県が実施されたものでございます。したがいまして、本市及びため池所有者の負担はございませんでした。
81: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。
82: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。
さきの調査は国の補助だったから、市も所有者である財産組合、水利組合の方には御負担がなかったということなんですけども、となってくると、全額お金が出るんだったら、まあ確かにですね、基本的には財産所有者が整備をしていくわけですから、そこに対して公費をどうですね、入れるかというのは、いろんな議論もあるところでしょうけども、まあ、そこら辺のところはまだ課題としてあるんでしょうから、また機会があったらお聞きしますけども。
先に進みます。平成25年、26年度の福岡県の点検の対象外となった、受益面積0.5ヘクタール未満のため池12カ所、そうですよね。全部で春日市は私は20カ所あると理解しとって、1カ所が水道企業団が管理している春日貯水池ですね。で、19ですね。で、七つ点検……。そうですね、数は合いますね。12カ所ですけども、これは全然全く、県での点検をされていないわけですけど、これについては現況調査レベルの点検ちゅうのはどうされるんですか。
83: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。
84: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 平成25年度、26年度の福岡県の点検の対象外となった受益面積0.5ヘクタール未満のため池12カ所についてはどのように取り組むのかとのお尋ねにお答えいたします。
ため池の点検につきましては、先ほど申し上げたため池の詳細調査と同様に、所有者の問題、費用負担の問題、さまざま課題がございますので、これを整理しながら、点検の方向性について今後、調査検討を行ってまいりたいと考えております。
85: ◯議長(金堂清之君) 20番、前田俊雄議員。
86: ◯20番(前田俊雄君)〔起立〕 20番、前田でございます。
今回、以前も申し上げましたけれども、福岡県による点検はですね、受益面積を基準として対象を選ばれているわけですね。しかし都市化が進んでいる春日市でございますので、かつては受益面積が大きかったと。しかし、都市化に伴って受益面積が小さくなったとしますね。しかし、もともとあったため池はその規模であって、貯水量もその貯水量があるわけですよ。そういったため池がですよ、万一決壊した場合、下流域に大きな災害をもたらすと私は考えますけども、どうなんですかね。福岡県が行った、実施したレベル程度の点検は、やるべきじゃないですかね。私はそう考えますけど、お聞かせください、見解。
87: ◯議長(金堂清之君) 渡辺都市整備部長。
88: ◯都市整備部長(渡辺浩二君)〔登壇〕 福岡県によって実施されたレベルの点検は実施すべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。
議員御指摘のとおり、県と同じレベルでの点検は必要であるとの認識はしております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、費用負担等の課題もございますので、これらの課題を整理した上で検討していきたいと考えております。
144: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。
145: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 はい、御回答ありがとうございました。
友達へのからかいが一番多いということでした。重大事案も小さないじめ、からかいから始まるものだと思います。月1回の校内いじめ対策、いじめ問題対策委員会は引き続き行っていただいて、ただ、委員会だけでなく、教員全員が情報を共有するということが非常に大事だと思っております。いじめ防止対策に取り組む、そういった意味で、全員のですね、教員全員の周知含めて、いじめ防止対策に取り組んでいただきますようお願いいたします。
次に、重大事態が発生した場合の対応についてお尋ねいたします。重大事態の初動として、春日市いじめ防止等対策推進委員会の設置と状況にかかわる情報収集、把握とお答えいただきました。この春日市いじめ防止等対策推進委員会の構成とその役割をもう少し詳しく教えてください。
146: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。
147: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 春日市いじめ防止等対策推進委員会の構成と役割につきましてお答えをさせていただきます。
当該委員会の委員の構成は、弁護士、医師、学識経験者、心理または福祉に関する専門家からの5名、加えて事務局として教育委員会から4名の、計9名で構成しております。
役割といたしましては、平常時はいじめ防止等のための対策を実効的に行うために、みずから調査を行うこと、重大事態発生時には重大事態にかかわる事実関係を明確にするための調査を実施するものでございます。
148: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。
149: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦です。御回答ありがとうございます。
重大事案が万が一発生した場合は、春日市いじめ防止対策推進委員会の迅速なる設置と情報収集、早期対応並びに早期解決を行っていただきますよう、もちろんお願いをしたい、まあ、そういうふうになるということですので、していただきたいんですけども、重大事態でない場合でも、今もですね、いじめが、いじめ問題、トラブルを抱えて長期化している、そういう事案があると思いますが、そうした場合、周りをどんどん巻き込んで問題が大きくなる場合も想定されます。この場合にも、重大事態同様にですね、春日市いじめ防止対策推進委員会を設置して、第三者の客観的意見を踏まえ、公平公正に対処し、迅速な解決に努めていただきたいと考えております。
さて、いじめ防止対策推進法第3章、基本的施策第15条に、「学校の設置者及びその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことが、いじめ防止に資することを踏まえて、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動の充実を図らなければならない」とあります。現在、市内の学校で取り組みが行われています道徳教育及び体験活動の一例を教えてください。
150: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。
151: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 学校で行われている道徳教育及び体験活動の一例をとの御質問にお答えいたします。
小中学校全学年におきましては、学習指導要領より、道徳の時間に信頼、友情、それから思いやり、親切についての指導内容が系統的に位置づけられております。道徳の時間におきましては、児童生徒の心に落ちるように、読み物資料の登場人物に共感させるなど、道徳性を養っております。また、特別活動であります学級活動の時間を通して、望ましい人間関係の形成を目指しております。実際に模擬体験や話し合い活動を行いながら、クラスや個人で実践に向けた目標や方法を設定して、日常的な実践につないでおります。
152: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。
153: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 御回答ありがとうございました。
いじめ防止対策推進法の中で、道徳心を養うということで、道徳教育と体験活動の充実ということがうたわれているんですが、まあ、見解の相違なのかもしれませんけど、いじめに特化した道徳教育のようなものもですね、取り入れていただければなというふうに考えております。
続いて、先ほど紹介いただきましたいじめの定義の中で、「インターネットを通じて行われるものを含む」とあります。今やインターネット、特にSNSの中で行われているいじめもですね、対象にされているわけですけども、子どもたちの間で、もうほとんどスマートフォンのですね、普及率も高く、中学生では持っている生徒が多い現状ではございますが、生徒間ではそこのコミュニケーションで、もう「うざい」、言葉は悪いですけど「死ね」「キモい」などといった単語を中心に会話が多用されております。いわゆるコミュニケーション不足、それと匿名性が高まることによって生じた低い罪悪感、それに起因する誹謗中傷、そしてそれらが一瞬にして広がり盛り上がってしまう情報拡散のスピード、現実以上にいじめが横行する環境がインターネットの中で行われています。また、現実世界でのちょっとした相談が一瞬にしてネットを介して多くの人が知ることになってしまうというような事例の多さ、そういったものをですね、見ますと、今の子どもたちは、親しいと思っている友人にも相談できないという疑心暗鬼の状態にあると言えるのかもしれません。
このような現代の子どもたちが遭遇している現代のネット社会について、率直な感想をお願いいたします。また、この社会を踏まえた道徳教育について、ネット道徳について、どのような取り組みが望ましいと考えていらっしゃるか、教えていただきたいと思います。
154: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。
155: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 率直な感想と、道徳教育及び体験活動の一例をという御質問にお答えいたします。率直な感想といいますか、教育活動は年間指導計画の中で行われておりますので、このことを御紹介差し上げますとともに、体験活動の一例も回答させていただきます。
年間活動計画におきます特別活動、それから道徳の時間、これで年に1回、小学校3年生から6年生、それから中学校は全学年におきまして、ネットいじめ等の防止をテーマに、インターネットやLINEなどの使い方、危険性を知るとともに、基本的な生活習慣、つまりはスマホ、スマートフォンを使う時間による夜更かしの防止などを身につけることを狙いとした学習が位置づけられております。ある小学校の5年生では、特別活動の時間に講師を招聘いたしまして、ネットによる誹謗中傷の現状やいじめにつながる怖さについて、学習を行っているところでございます。
156: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。
157: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 はい、御回答ありがとうございました。
ネット、SNSを通じたインターネット、子どもたちがですね、軽はずみに撮った写真、個人情報ないしプライベートな写真がですね、一気に拡散して、もう立ち直れない状況になるといったことがですね、全国で聞かれております。ぜひ春日市においてもですね、そういうトラブルに巻き込まれないように、子どもたちにですね、指導、教育をしていただいて、健やかな育ちの一助にしていただければというふうに考えております。
今まで、いじめ防止対策について質問してまいりました。いじめ防止対策では、早期発見、早期対応、早期解決の三つが重要となるのは、皆様御承知のとおりだと思います。これは担当する先生、教員に初動対応を委ねるということではなくて、早期発見を高めるために、相談窓口の周知とその数をふやすこと、早期対応では、相談があった時点で事案の大きい・小さいにかかわらず学年会議や職員会議のテーブルに乗せ、多くの関係者で情報を共有すること、早期解決では、いじめ防止対策としての適切な指示並びにその実施に伴う状況共有を通して、全体的なレベルアップを行うことが重要だと考えております。
今回、私は市内の中学校へヒアリングを行いました。いじめ防止対策として一生懸命取り組みを行っていくことも、一人一人に親身になって接している教職員の皆様の姿を拝見して、いじめをなくして健やかな成長を願う思いを強く感じております。ぜひとも全市的な取り組みの中で、情報の共有化、スキルアップへのさらなる取り組みを期待しまして、いじめ防止対策についての質問を終わりたいと思います。
次に、不登校支援についての再質問をさせていただきます。過去3年間における不登校児童及び生徒数の状況と、スマイルルームでの状況を御回答いただきました。率直な意見として、微増・微減はあるものの、高どまりといった印象でございます。
昨年、文部科学省が発表しました平成27年度学校基本調査での公表によりますと、全国に12万3,000人、不登校児童生徒が存在するとのことです。全国の出現率と比較した春日市の状況を教えてください。
158: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。
159: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 不登校に関しまして、全国の出現率と比較して春日市の状況をとの御質問にお答えいたします。27年度分がまだ全国の数値等が公表されておりませんので、その前の年、平成26年度分でお答えをさせていただきます。
小学校におきましては、全国の不登校児童の出現率は0.39%でございます。春日市は0.73%ですので、約2倍弱の出現となっております。中学校におきましては、全国の出現率は2.76%、本市2.89%となっており、若干上回っておりますけども、全国平均には近づいてきているところだというふうに感じております。
160: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。
161: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦です。御回答ありがとうございます。
小学校における不登校の出現率0.73%、コミュニティ・スクールで子どもの育ちを地域とともに見守っている私たちにとっては驚きの数字でございます。対策については後ほどお伺いしたいと思います。
支援センターについてお伺いしたいんですが、私は昨年、支援センター内にあるマイスクールを視察させていただきました。以前はマイスクールに通級している生徒の数はもっと少なかったように記憶しております。さまざまな事情により登校したくてもできない生徒児童が、自分に適した環境の中で学校と同じように自律性や社会性を育み、社会の一員として自己有用感を持ちながら、自分に合った進路を見つけて歩んでいくことを支援することは、とてもすばらしい取り組みの一つだと考えております。
先ほど、全国で12万人以上の不登校児童がいると申しましたが、あくまでも30日以上学校を欠席した児童生徒の数であり、その予備軍といいますか、不登校になるおそれのある数を考えますと、教育支援センターのマイスクールのような取り組みは今後ますます重要になってくると思います。
現在21名とのことですが、施設的に定員は何名までを想定しているのでしょうか。また、検討すべき課題などがあれば教えてください。
162: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。
163: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 教育支援センターの定員と、こういった場合の対応はどうするのかという御質問にお答えいたします。
本市の教育支援センターは定員は定めておりません。ただし通級生の中には、10名以上の生徒たちと交わるというふうなことになりますと、教室に入れないと感じている子どもたちもいるのが事実でございます。個々の児童生徒の状況を踏まえて、個室での対応を考慮しなければならないと考えます。また、中学校にありますスマイルルームの活用状況や、学校復帰のペースを見直し、具体的には登校刺激を与える定期的な活動などで対処していきたいと考えております。
164: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。
165: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 川崎英彦です。御回答ありがとうございました。
定員は定めていませんと。ただ、10名以上になると教室に入れないということは、21名でも多いというふうな認識をされているというふうに判断をいたしております。今後ますますですね、ふえる、僕もあらゆる選択肢を広くというふうにお願いしているわけですから、そういう子どもたちがですね、自分の環境に合った場所で学び、自分の将来を前向きに決めていける場所という意味ではですね、今後大きく、広く活用拡大をしていっていただきたいなというふうに思っております。
まさに一つの学校復帰支援、復帰だけがですね、全てではないとは思いますが、多くの生徒の中でですね、やはり育つ学びも多々あります。そういった意味で、教育支援センターによる学習指導や体験活動、そしてスマイルルームによる校内適応指導、不登校専任教員による家庭訪問などの取り組みを行っているわけですけども、それに加えて、平成28年度のエデュケーション かすがの中で、不登校児童生徒支援体制の充実としましてですね、教育支援センターとスマイルルームの相互交流を掲げておられます。その期待される効果と具体的な取り組みなどが決まっていましたら御紹介ください。
166: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。
167: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 教育支援センターとスマイルルームの相互交流の効果と取り組みにつきましての御質問にお答えいたします。
相互交流につきましては、昨年度スポーツ交流会を年11回実施いたしました。マイスクール……。失礼いたしました、教育支援センターでございます、マイスクール。教育支援センターの参加者は延べ98名、スマイルルーム──これは学校に置いておりますスマイルルームでございます──延べ155名、計253名が参加いたしました。交流活動では、年度当初は個人競技──バドミントンとか卓球でございます──それから始めまして、回数を重ねていく中で、みんなでできるような団体競技、ソフトバレー、フットサルなどの活動を行うようにしております。学校復帰に向けて、交流活動を通して人間関係づくりを深めて、復帰に向け、大変有意義な取り組みだというふうに考えております。
168: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。
169: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦でございます。御回答ありがとうございます。
最終的な学校復帰に向けてということでですね、流れとしましては、学校支援センターからスマイルルームへ、そしてスマイルルームから学級・学校復帰へというふうな流れの中で、学校支援センターからスマイルルームの相互交流はですね、スムーズな移行といいますか、お互い交流することで行き来しやすくなる、垣根を低くするという期待が持てます。すばらしいアイデアだと思います。また逆に、スマイルルームでも今つらく感じている子どもたちが、支援センターのほうに行きやすくなる。先ほど、これ以上ふえてはという懸念も当然ありますけども、それぞれの子どもたちがそれぞれに適した場で学ぶことを与える、そういう育ちを育むということは非常に大事なことであると考えております。引き続き相互交流をですね、進めていただきますようお願いしたいと思います。
今現在、春日市では唯一の不登校支援施設でございます春日市教育支援センター、公設公営春日市支援センターでございますが、普通学級への登校復帰を目指しているわけですが、学校に行けない、学校に行きたくない児童生徒たちにとっては、子どもの成長を支援する多くの選択肢が春日市教育支援センター以外にもですね、あったほうがよいと考えております。
その上で、現在多くの地域でフリースクールが開校されております。公設公営はもとより、公設民営、民設民営、その生い立ちから運営まで多岐にわたっております。全く学習支援を行わないで心のケア中心とした居場所づくりから、集団生活の中で社会性を身につけるための学習指導、そして学校復帰を目指すというところまで多岐にわたっております。
教育という視点だけでなく、個人として、将来の社会人として、自己肯定感を持ち、自己有用感を持って、社会の一員として生きる力を養い、社会で活躍できる人材育成を目指すことも大切ではないかと考えております。学校以外で不登校支援を行っている取り組みと連携し、多くの選択肢の中から、不登校またはひきこもり児童生徒に合った環境を紹介し、支援することもまた有用ではないでしょうか。その上で、市内に限らず広い地域での連携に取り組んでいただきますよう、強くお願いをしたいと思います。
次に、学校における不登校対策の取り組みについて伺います。不登校を減らすために、未然予防、早期発見、早期対応、きめ細やかで継続的な支援に努めていると御回答をいただきました。それらの具体的な例を教えてください。
また、校内不登校対策会議や各中学校ブロック不登校対策協議会等は、全ての学校で設置されているのでしょうか。その開催頻度もあわせて御紹介ください。
170: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。
171: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 不登校対策の具体例として、対策会議、ブロックでの協議会等の実施状況についてのお尋ねにお答えいたします。
現在、継続的な支援としましては、個々の状況に応じて個別指導による対応を行います。具体的には、児童生徒の出迎え、欠席1日から2日であれば電話連絡、欠席3日になりますと家庭訪問等を行います。
校内での対策会議は、各学校では毎週または隔週で開催するなど、定期的に行っております。中学校ブロックの対策会議につきましては年間3回開催を基準にしておりますが、ブロックによっては年間6回以上開催しておるというふうなところもございます。
以上でございます。
172: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。
173: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦です。御回答ありがとうございました。
先ほど、いじめ防止対策のときにもですね、同じような質問をさせていただきました。校内いじめ対策委員会を月に1回開催されているということです。今回、その不登校会議ですね、校内不登校会議、毎週もしくは隔週での開催ということで、さまざまな会議をしていただいてですね、周知に努めていただいている、情報の共有化に努めていただいている。また、校長先生を初めですね、教員の皆様にはですね、心より感謝申し上げたいと思います。そうはいっても、まあ、いじめの件数は全国的には低い数値でございました。ただ不登校についてはですね、春日市は高い数値になっております。引き続きですね、周知、共有化を図っていただければというふうに思います。
最初の質問で、不登校を減らすためにということで、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカー、そして不登校専任教諭の名前が挙がりました。スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、まあ似たような名前ではありますので、簡単で結構でございますが、それぞれの、今春日市に赴任されているというか、勤めていらっしゃるそれぞれの人数とですね、役割を教えていただければと思います。
174: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。
175: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 不登校対策に係りますさまざまな専門家集団の人数と役割についてというお尋ねにお答えをさせていただきます。
スクールカウンセラーは6名です。心理の専門家として、児童生徒へのカウンセリングはもとより、保護者、教職員への指導、助言も行っているところでございます。
ソーシャルワーカーは6名おります。福祉分野の専門家といたしまして、保護者、学校を対象に、医療、福祉等の機関と連携をしながら、子育てや生活面など自立支援相談も行っているところでございます。
不登校専任教員は9名おります。不登校生徒宅への家庭訪問などのサポート、それからスマイルルームの運営を行うとともに、担任と連携しながら、校内の不登校対策会議等の企画運営等も行っておるところでございます。
176: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。
177: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 はい、御回答ありがとうございます。
スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、それぞれ6名ということで、不登校専任教員は9名。これは小学校、中学校両方に対応しているということで考えてよろしいですかね。どちらかということですよね、はい、済みません。
まあ、今御紹介していただきましたけども、それぞれのですね、支援活動の多さ、会議を含めてですね、運営から不登校の生徒への家庭訪問、特に不登校専任教員においてはですね、その活動の多さというのを改めて知ることができました。日々努力されている姿に、本当にですね、感謝申し上げたいと思います。
次に、春日市教育支援センターの周知についてお伺いします。
従前から市のウエブサイトに掲載されており、ことしから教育支援センター独自のウエブサイトを開設するということです。このことで、悩んでいる生徒自身やですね、保護者の方々の不登校解決の選択肢の一つとして認知されやすくなって、とてもいいことだと考えます。また、不登校支援の相談機関を紹介したサポートマップの配布など、さらに広く周知され、早期対応、早期解決を進める上でとても有効であると考えております。ぜひ多くのチャンネルを使ってですね、配布をしていただきますようお願いいたします。
以前、不登校で悩む保護者の方にお話を伺う機会がございました。学校での周知が余り徹底されていなかったのか、先生に不登校のことで相談したときに、教育支援センターのことは伺うことができなかったと申されておりました。ぜひ学校でもですね、再度の教育支援センターの周知、サポートマップの配布も行っていただきますようお願いいたします。あわせて、不登校の早期発見、早期対応という意味では、就学前のお子さんを対象にした周知支援も取り組みとして御検討されてはいかがかと思います。
幼児期の不登校支援といえばですね、変な言い方になりますが、幼児期の非認知能力の育成は未然予防につながり、幼児期の支援は早期解決につながるものではないでしょうか。ノーベル賞を受賞したシカゴ大学のジェームズ・J・ヘックマン教授、彼が「幼児期の介入は経済的効率を促進し、生涯にわたる不平等を低減する」ということを研究で明らかにしております。就学前の取り組みほど経済的収益が高くなる、要するに経済的な負担が少なくなるということですね。つまり、早い対応が早期解決につながるということではないでしょうか。
そこでお伺いいたします。この春日市で就学前に対象を広げ、不登校の未然予防などにつながる取り組みが検討もしくは実施されているのであれば教えてください。
178: ◯議長(金堂清之君) 西岡教育部長。
179: ◯教育部長(西岡純三君)〔登壇〕 不登校防止対策として、就学前に対象を広げて未然防止などの取り組みがあればというお尋ねでございます。
義務教育活動は、就学前の子どものいる家庭の支援の取り組みには直接的にかかわるものではございません。しかしながら、その一助となる試みといたしまして、国の委託研究事業として、春日中学校ブロックにおきまして15年共育プログラム構築事業を行っております。今年度で2年目のモデル事業となります。まだまだ手探りの状態ではあります。今後も福祉部局、とりわけ本年度創設された子ども・子育て相談センター、ここと連携を深めて、効果的に機能するように検討してまいりたいというふうに考えております。
180: ◯議長(金堂清之君) 1番、川崎英彦議員。
181: ◯1番(川崎英彦君)〔起立〕 1番、川崎英彦です。御回答ありがとうございました。
僕も地域に行ってですね、いろんな先生、学校関係者の方とお話しする機会がありまして、不登校とかの話のテーマになるとですね、中学校では、やはり小学校から上がってくるときに既にその兆候があるという話もですね、伺うことがあります。小学校の学校関係者に聞いてもですね、小学校に上がってくるときにもう既にその兆候がある、もしくはもう既に不登校状態になっているという話もですね、聞いております。それだけ幼児期、乳幼児期のですね、まあ不登校対策という名前ではないでしょうけども、それにつながるですね、形というものが多分あるんだろうなと。
今御紹介いただきました15年共育プログラム、生まれてから15年間を見据えて、地域、学校、保健、福祉が総合的に子育てをサポートする事業、春日中学校ブロック、一部の中学校ブロックで今取り組みが行われているわけですけども、その効果もですね、私も大いに期待して、早く全市的な取り組みとして担っていただければ、非常にありがたいなというふうに考えております。
また、不登校専任教員と普通クラスを担当するほかの教員との情報共有、課題共有についてですけども、先ほどスマイルルームでの指導、不登校生徒には家庭訪問や外出支援、手厚いサポートを行っているという御答弁をいただきましたが、御担当されている不登校専任教員の御尽力も常にですね、家庭訪問をされて、温かな目でですね、日々の活動をされております。その数が9名ということでですね、とても春日市は先進的な取り組みであると、今後の改善を大きく期待させるものであるというふうに思っています。今後の対応がふえるにつれ、研究、検証並びに情報共有が進められていくと思います。個々の生徒に応じたきめ細やかなサポートができると考えております。
そこで重要なのが、不登校専任教員と一般の教師の情報共有ではないでしょうか。不登校及びひきこもり生徒にきめ細やかな対応を特化すればするほど、不登校専任教員の専門性は高くなり、ほかの教員たちとの不登校支援に対する認識がずれ、さらに個々の生徒への関心が薄れ、生徒が孤立することもあるかもしれません。情報の共有化はもとより、時には不登校専任教員と一緒になってですね、家庭訪問などを行い、課題の共有化を図り、全体的な教師のスキルアップにつなげてはいかがかなというふうに考えております。学校全体が不登校やひきこもり生徒を温かく見守る仕組みと環境ができれば、さらなる不登校支援の形が見えてくると思います。
今回、いじめ防止対策及び不登校支援について質問をいたしました。新しい取り組みもされておりますので、いじめ撲滅と不登校出現率の減少は今後に期待したいと思います。最後に、これらの問題は、さきにも触れましたけど、事後的な対応でなく、就学前からの福祉と教育の連携に抜本的な解決策があるように思います。先ほどの15年共育プログラムのように、幼少期、就学前からの取り組み以外にもさまざまな取り組みを行っていただくことをお願いして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
182: ◯議長(金堂清之君) 6番、白水勝己議員。
白水議員は回数制にて質問いたします。
183: ◯6番(白水勝己君)〔登壇〕 6番、春風会の白水勝己です。
私は、さきに伝えていました3項目を回数制にて質問をさせていただきます。
まず1項目めに、本市の商工会支援について。
平成28年度春日市予算書から、市税は125億6,975万3,000円。このうち個人市民税については58億6,759万5,000円、固定資産税は46億7,250万6,000円と堅調であるが、一方、法人市民税については、平成26年度の税制改正による税率の引き下げに伴い4億7,887万5,000円を見込んでおり、少しでも法人市民税をふやすためには商工会支援が必要だと考え、質問をさせていただきます。
本市の面積は14.15キロ平方メートルと小さいが、人口密度の高い地域特性を生かした創業インキュベートタウン構想事業による地域経済活性化について、本市の役割についてお尋ねします。
2項目めに、本市の教育行政について。
全ての小中学校がコミュニティ・スクールで、各学校が独自の取り組みを行っており、その中で2学期制と3学期制の学校が混在しているが、教育委員会として今後の方針についてお尋ねします。
二つ目に、星見ヶ丘の開発によって天神山小学校校舎増築工事が必要となっており、平成28年度エデュケーション かすがの中に、「安全で安心できる共育の推進」「安心して学び、暮らせる環境の整備」の2)に、「学校の規模、地域連携の視点からの校区再編」「対象地域の選定、協議」について、春日市全体を考えた教育委員会としての将来構想についてお尋ねします。